借金減額シミュレーターの利用を検討しているものの、怪しいと感じて利用を思いとどまっている人も多いのではないでしょうか。
借金減額シミュレーターとは、現状抱えている借金のうち、減額できる金額を簡単に産出できるシステムです。
しかし、減らせる借金額を簡単に算出できる点に、怪しいと感じる人も多いかもしれません。
果たして、借金減額シミュレーターは信頼のおけない怪しいサービスなのでしょうか。
- 借金減額シミュレーターは怪しいサービスではない
- 無料利用は弁護士への相談につなげるため
- 簡単な質問に答えるだけで回答が得られる
- 実際の減額金額が算出できるわけではない
- サービスの運営元を確認するべき
- 債務整理の種類や他の借金減額方法も検討する
今回は、借金減額シミュレーターの特徴やからくりについての紹介をします。
また、利用方法や欠点及び注意点、債務整理につながる流れについての解説も行います。
ぜひ今回の記事を参考にして、ご自身の借金整理の一助として借金減額シミュレーターを活用してください。
借金減額シミュレーターは決して怪しいサービスではない
借金減額シミュレーターに対して、怪しい印象を持っている人も多いかもしれません。
中には悪徳な目的でサービス展開をしている可能性はあるものの、基本的には借金減額シミュレーターは決して怪しいサービスではありません。
実際に債務整理やその他の手続きを行なう前に、減額できる借金額の目安を知れる便利なサービスです。
インターネット上で計算ツールが公開されており、ほとんどが無料で利用できるサービスであるため、安心して利用できます。
借金減額シミュレーターの特徴について、以下に2点紹介します。
- 弁護士事務所などが運営している
- 基本的に無料で24時間診断が可能
借金減額シミュレーターが怪しいサービスでないと理解したうえで、ぜひ活用してみてください。
弁護士事務所などが運営している
- 借金減額シミュレーターは、弁護士事務所や司法書士事務所など、専門家が運営しているのが一般的です。
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専門的な知識を持って作られた計算システムであるため、怪しいサービスではありません。
借金を減額できる可能性について、簡単に診断できる便利なサービスであるため、債務整理の実施を検討している段階においては大いに参考になります。
しかし、借金減額シミュレーターの中には利用者をだます目的で運営されている可能性があります。
利用するサービスを選定する際は、運営元に信頼がおけるか十分に確認するなど、慎重に対応する方が良いでしょう。
基本的に無料で24時間診断が可能
- 借金減額シミュレーターは、基本的に無料で利用が可能で、かつ24時間いつでも診断が受けられます。
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ほとんどの借金減額シミュレーターは、インターネット上で公開されており、自由に利用が可能です。
中には、簡単な個人情報の入力を求められるケースもあるものの、費用がかかるサービスはほとんどないでしょう。
インターネットの環境があれば24時間いつでも利用が可能であるため、思いついたときに手軽に利用可能です。
借金減額シミュレーターを利用した段階では、診断結果などが信用情報に記録される心配もありません。
借金減額シミュレーターは、いつでも手軽に利用ができて費用もかからず、信用情報上の問題もないため、信頼して利用すると良いでしょう。
借金減額シミュレーターを無料で使えるのはからくりがある
借金減額シミュレーターは、簡単に利用できて借金の減額に関する確認ができる便利なツールですが、なぜ無料での利用が可能なのでしょうか。
借金減額シミュレーターが無料で利用できるのには、一定のからくりがあるためです。
シミュレーターの運営側にとって無料でも十分な利点があるため、ほとんどのサービスに費用がかかりません。
借金減額シミュレーターが無料で利用できるからくりについて、以下に3点紹介します。
- 債務整理に関して弁護士への相談につなげる
- 減らせる借金額を正確に算出する仕組みではない
- 入力した内容は運営側で即座に活用できる
サービスを利用する前に、その仕組みについて理解を深めておきましょう。
債務整理に関して弁護士への相談につなげる
- 借金減額シミュレーターの利用を通じて、債務に関する相談者に弁護士への相談を促す効果があります。
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借金減額シミュレーターの多くは、弁護士事務所や司法書士事務所などが運営をしています。
弁護士事務所などは、債務整理の相談者を募る目的でシミュレーターを公開しているケースが多いです。
普段の生活においては、弁護士事務所などの専門家と関わる機会は少なく、敷居が高いと感じる人も多いかもしれません。
債務整理に関する相談を受けようと考えても、気軽に弁護士事務所を訪ねられない人も多いでしょう。
一方、借金減額シミュレーターのような気軽に利用できるツールであれば、借金に悩む多くの債務者に利用してもらえます。
シミュレーションを行った後、より具体的な相談をするため、運営元の弁護士に連絡を取る人も増えるでしょう。
借金減額シミュレーションは、債務整理について弁護士などに相談するためのきっかけとしての役割を持ちます。
減らせる借金額を正確に算出する仕組みではない
- 借金減額シミュレーターは便利に利用できるツールですが、減らせる借金額を正確に算出できる仕組みではありません。
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借金の減額幅を正確に算出するためには、債務者に関する詳細な情報が必要になります。
借金減額シミュレーターのような簡易な申告内容では、正確な診断結果が得られないのは当然です。
正確な算出結果が得られないからこそ、無料で提供できるという側面もあります。
従って、システムを利用する際はあくまで参考結果として捉え、正確な結果を得たい場合は弁護士などへの相談が必須と考えるべきです。
借金減額シミュレーターを利用する際は、借金を減らせる可能性の有無を確認するにとどめましょう。
入力した内容は運営側で即座に活用できる
- 借金減額シミュレーターの利用をする際に申告した内容は、運営側に反映され相談を受ける際に即座に活用できるメリットがあります。
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システムを利用した後、より具体的な相談を弁護士にすることになった場合、あらかじめ情報が記録されていてスムーズに相談に移行できるでしょう。
具体的な借金減額幅の診断には、より詳細な情報を提供する必要があります。
最初から情報を提供するよりも、事前に一定の情報を伝えていた方がスムーズです。
借金減額シミュレーターが出した結果と、弁護士などに相談した結果には違いがある場合も少なくありません。
シミュレーターを利用して使いやすいと感じる運営側に詳細な相談をして、具体的に債務整理を進めていくと良いでしょう。
借金減額シミュレーター利用の流れは簡単
借金減額シミュレーターは、数件の質問に答えて送信するだけで診断結果が得られる便利で簡単なツールです。
システムによって利用方法が異なる場合もありますが、一般的には簡易な内容を伝えて短時間で診断結果が得られます。
借金減額シミュレーターの利用方法について、以下に順を追って紹介します。
- シミュレーター内の質問に答える
- 減額の可能性の可否について結果を得る
- 減額幅の確認を追加で依頼
- 担当弁護士などから回答を得る
- 債務整理の手続きを弁護士に依頼する
借金減額シミュレーターを利用して、手軽に借金減額の可能性について確認しましょう。
シミュレーター内の質問に答える
借金減額シミュレーターは、システムにより操作方法に違いがあるものの、主に以下の3点の質問に答えるだけで診断結果が得られます。
- 借入残高総額
- 借入期間
- 現在の支払い状況
以上の項目を入力するだけで、借金減額の可能性及び減額幅が提示されます。
基本的には個人情報を入力する必要がないため、安心して利用できるでしょう。
逆に、借金減額シミュレーターによる簡易な診断の段階で個人情報を求めるシステムは、怪しいと考えた方がいいかもしれません。
利用前の認証のため、メールアドレスの確認を求められるケースはあるかもしれません。
しかし、それ以上の情報を求めてくるシステムは、いったん利用を止めて運営側の確認をした方が良いでしょう。
減額の可能性の可否について結果を得る
借金減額シミュレーターで上記3点の質問に答えると、画面上で減額の可能性があるかどうかが表示されます。
ただし、この結果はあくまで概算となります。
さらに詳しい情報を知りたい場合は、運営側へ追加で確認をする事をおすすめします。
減額幅の確認を追加で依頼
借金減額シミュレーターの内容を踏まえ、さらに詳細かつ正確な情報を知りたいと考える場合は、追加でシステムの運営側に確認依頼ができます。
追加依頼をする段階においては、より詳細な情報を伝える必要があります。
正確な診断結果を得るためには、ご自身が置かれている状況を正確に伝えないといけません。
借金減額の可能性及び減額金額を確認する作業であるため、虚偽の内容を伝えないようにしましょう。
弁護士など運営側への相談段階であり、個人情報の流出はないため、できるだけ詳細かつ正確に問い合わせに応じると良いでしょう。
担当弁護士などから回答を得る
追加依頼をした後、数日後に運営側の弁護士事務所の担当弁護士などからの回答を受け取ります。
この段階においては、弁護士事務所などを訪れる必要はなく、メールなどで情報を得るケースが多いです。
弁護士からは、選択するべき最適な債務整理の方法と、その場合に獲得できる借金減額幅の提示を得られます。
詳細な情報を伝えたうえでの結果であるため、信憑性が高いと考えて差し支えありません。
しかし、実際に手続きをした結果と診断結果が異なる可能性はあります。
担当弁護士などからも、診断結果と最終結果に差が生じる可能性があると説明があるでしょう。
債務整理の手続きを弁護士に依頼する
追加の診断結果を踏まえ、納得のいく内容が得られた場合は、債務整理の手続きを開始します。
シミュレーターの利用及び追加の相談をした段階であるため、債務者が置かれている状況をすでに理解してくれています。
スムーズに債務整理への手続きに移行してもらえるため、そのまま同じ弁護士事務所に手続きを依頼すると良いでしょう。
- 借金減額シミュレーターを運営している弁護士事務所に、シミュレーターの運営について問い合わせをしたことがあります。
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弁護士事務所としては、シミュレーターの利用を通して債務整理の相談及び依頼を受けるのが最終目的であると認識しています。
弁護士事務所の見解としては、一般市民にとって敷居が高い場所であることは承知の上であるため、簡単に利用できるシミュレーターの利用を通して弁護士事務所を訪れるきっかけにしてもらいたいとのことです。
無料で提供するのは決して怪しい目的ではなく、気軽に弁護士事務所を訪れるきっかけにしてもらいたいためでしょう。
借金減額シミュレーターの欠点は主に3点
借金減額シミュレーターは手軽に利用できる便利なツールですが、利用に際しては注意したい欠点も存在します。
シミュレーターを利用する際は、利点だけに注目するのではなく、抱える欠点についても正確に理解したうえで活用するか否か決めましょう。
借金減額シミュレーターの主な欠点について、以下に3点紹介します。
- 診断結果と実際の減額幅は異なる場合が多い
- シミュレーターによって結果が異なる場合がある
- 運営元の事務所から電話がかかってくる場合もある
3つの欠点について、以下でそれぞれ解説するので、参考にしてください。
診断結果と実際の減額幅は異なる場合が多い
- 借金減額シミュレーターを利用して得られた診断結果は、実際に債務整理の手続きをした結果と異なる場合が多いです。
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シミュレーターでは、借金総額など簡単な情報のみで診断をしています。
実際の債務整理の手続きにおいては、他の様々な要因が影響し、借金減額金額が決定します。
債権者側の意向が反映されて、減額幅に影響を与えるケースも多いでしょう。
借金減額シミュレーターは、手軽に利用できて短時間で結果が得られる便利なサービスですが、診断結果はあくまで参考として捉える必要があります。
減額できる借金額をより正確に知りたい場合は、借金減額シミュレーターを運営している弁護士事務所に追加で問い合わせをしましょう。
シミュレーターによって結果が異なる場合がある
- 借金減額シミュレーターによって、診断結果が異なる場合があります。
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シミュレーターのシステムは、それぞれ異なる運営元が製作しています。
システムの前提や計算方法は、違いがあって当然でしょう。
ほとんどの借金減額シミュレーターは、無料で簡単に利用できます。
そのため、シミュレーターによる簡易な減額幅の診断をする場合は、複数のシステムを利用して比較すると良いでしょう。
減額幅が最も大きいからといって、信憑性があるとも限りません。
あくまで借金減額幅は目安として考え、数値をうのみにして判断しないように気を付けましょう。
運営元の事務所から電話がかかってくる場合もある
- 借金減額シミュレーターを利用した後、運営元の事務所から電話がかかってくるケースがあります。
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気軽に借金減額幅を診断したいと思って利用した場合には、電話がかかってきて迷惑に感じる場合もあるでしょう。
電話の内容は、債務整理への実行に関する相談であるケースが多いです。
しかし、運営元から電話がかかってきたからといって、必ず手続きを開始する必要はありません。
他の事務所を検討中であったり、債務整理は行わないと決めていたりした場合は、電話での依頼に対してはっきりと断って差し支えありません。
シミュレーター利用時では、個人情報をほとんど伝えていないケースが多いため、個人の特定をされる心配もないでしょう。
運営元から電話がかかってきても、慌てることなく必要ではない申し出の場合ははっきりと断りましょう。
借金減額シミュレーターを利用する際は注意点もある
借金減額シミュレーターを利用する際には、欠点だけでなく注意しておきたいポイントがあります。
シミュレーター自体は、怪しいサービスではなく安全に利用できるものですが、場合によっては不利益を被ってしまう恐れがある点を理解しましょう。
借金減額シミュレーターを利用する際の注意点として、主なものを以下に2点紹介します。
- 奨学金や税金など減額できない借金もある
- 運営元を必ず確認する
安心して借金減額診断を行うため、シミュレーターを利用する際は慎重に対応しましょう。
奨学金や税金など減額できない借金もある
- 債務整理は、原則的にすべての借金を対象としています。
しかし、奨学金や税金など一部の負債項目は債務整理をしても減額できません。 -
債務整理で減額できない借金項目の主なものは、以下の通りです。
参考:破産法第253条- 奨学金
- 税金
- 公共料金
- 養育費
- 闇金からの借金
借金減額シミュレーターで減額幅を計算する際、以上の減額非対応のものを含めると、正確な診断結果が得られなくなってしまいます。
一方、以上の項目を含めずに診断をすると、手続き後に残る負債として別枠で計算する必要があるなど診断結果の判断が難しくなります。
奨学金や税金など、減額されない借金を多く抱えている場合は、結果の正確性が乏しくなる点を理解しておきましょう。
運営元を必ず確認する
- 借金減額シミュレーターを利用する際は、システムの運営元を必ず確認しましょう。
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シミュレーターは、基本的には信頼のおける弁護士事務所などが運営しています。
しかし、中には事実とかけ離れた診断結果を表示して集客を行い、金銭を奪う悪徳業者が存在する可能性があります。
また、弁護士事務所の名称を名乗っていても、架空である可能性もあります。
聞いたことのない事務所名であった場合は、弁護士連合会などに問い合わせて実態のある事務所であるか確認しましょう。
大手の弁護士事務所が運営しているシミュレーターであれば、安心して利用できると判断して差し支えありません。
思わぬ不利益を被らないように、借金減額シミュレーターを利用する前に運営元が信頼できる相手であるか、必ず確認しましょう。
借金減額シミュレーターを選ぶ際に注意したいポイントがある
借金減額シミュレーターは、基本的には怪しいサービスではなく便利に利用できるツールです。
しかし、中には悪徳の目的で運営をしているシステムもあるため、利用するサービスの選定が重要になります。
信頼感の高いシステムの方が、結果の精度が高い可能性もあるでしょう。
借金減額シミュレーターを利用する際は、安心して利用できるサービスを選ぶのが重要です。
借金減額シミュレーターを選ぶ際に注意したいポイントとして、以下に3点紹介します。
- 実績のある弁護士事務所などであるか
- 必要以上に個人情報を求めない
- プライバシーポリシーの記載を確認
利用するシステムを慎重に選定して、納得のいく判定結果を得ましょう。
実績のある弁護士事務所などであるか
- 借金減額シミュレーターを選ぶ際は、運営元が実績のある弁護士事務所や司法書士事務所であるか確認しましょう。
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まずは、運営元が弁護士事務所などの専門家である点は最低限確認する必要があります。
中には利用者をだます目的の運営元がいるかもしれないため、法の専門家が運営しているのは最低条件です。
そのうえで、運営している弁護士事務所や司法書士事務所の実績や評価を確認します。
公式サイトはもちろん、比較サイトや口コミサイト等を確認して、実績や利用者からの評判を確認すると良いでしょう。
事務所の実績を確認する際は、債務整理の方面に強い点を中心に確認するのがおすすめです。
借金減額シミュレーターの比較をする際は、運営元の実績や評価を確認して、信頼のおける相手であるか判断しましょう。
必要以上に個人情報を求めない
- 借金減額シミュレーターを利用している際に、必要以上に個人情報を求めてくるシステムは避けるべきです。
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シミュレーターで簡易な診断をする際には、詳細な個人情報は必要ありません。
メールアドレスや電話番号など、結果を報告するために必要な情報以外は、伝える必要はないでしょう。
従って、住所や氏名など必要以上に個人情報の入力を求めてくるシステムは悪徳な目的を持っている可能性があります。
最低限以上の個人情報の入力を求めてくる借金減額シミュレーターの利用は、トラブルの原因になるリスクがあるため、関わらないようにしましょう。
プライバシーポリシーの記載を確認
- 借金減額シミュレーターを操作する画面上に、プライバシーポリシーの記載があるかも選択における重要なポイントです。
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借金減額シミュレーターの運営においても、個人情報の取り扱いが含まれるため、プライバシーポリシーの公表は必須の条件です。
しかし、中にはプライバシーポリシーの公表をページ上で行っていないサービスがあるかもしれません。
その場合は、信頼のおけるサービスではないと判断し、利用しない方が無難でしょう。
借金減額シミュレーターを選ぶ際は、プライバシーポリシーの表示の有無を必ず確認しましょう。
債務整理の方法は4種類ある
借金減額シミュレーターを利用した後は、弁護士事務所などに債務整理に関する相談をするのが一般的です。
そもそも債務整理とは、どのような手続きなのでしょうか。
債務整理と一言で言っても、いくつかの種類があります。
借金減額シミュレーターの診断結果は、債務整理の何らかの手段を適用した場合に借金が減らせると判断されることにより得られるものです。
弁護士事務所に相談をする前に、債務整理の種類についての理解を深めておいた方が良いでしょう。
債務整理の種類について、以下で4種類紹介します。
- 債権者に直接交渉する任意整理
- 簡易裁判所に仲裁に入ってもらう特定調停
- 借金を大幅に軽減できる個人再生
- 借金をなくせる最終手段の自己破産
それぞれの方法の特徴を理解して、実際に政務整理を行う際の参考にしてください。
債権者に直接交渉する任意整理
- 任意整理は、債権者と直接交渉を行い、借金返済の期限延長や利息負担の軽減を達成する方法です。
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あくまで債権者と直接交渉する形式であるため、他の債務整理方法とは異なり、裁判所を経由する必要がありません。
任意整理は、場合によっては家族にバレずに手続きを終えられる可能性があります。
また、他の債務整理の方法と比較して短時間で手続きを終えられる可能性があります。
一方、借金の元本そのものを減額するものではないため、大幅に負担を減らせるわけではありません。
債権者によっては交渉に応じてくれず、成功しない可能性も大いにあります。
任意整理は債権者と直接交渉する方法であるため、比較的簡単に手続きができるものの、成功しない可能性もある点を理解しましょう。
簡易裁判所に仲裁に入ってもらう特定調停
- 特定調停とは、自身と債権者との間に仲裁に入ってもらい、返済方法や条件を相談する方法です。
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任意整理と同様、比較的簡単な手続きで実行できる債務整理方法で、費用負担も他の方法と比較すると大きくありません。
一方、簡易裁判所に繰り返し訪れて相談や手続きをする手間がかかってしまいます。
また、任意整理と同様、債権者との交渉がうまくいかない可能性も十分あります。
元本の減額を目標とする債務整理方法ではないため、大幅な借金減額が得られる可能性も低いでしょう。
安定した収入が将来的に見込めるなど、借金返済ができる経済力がないと選択できない方法です。
特定調停は、比較的簡単に実行できる方法である一方、債権者との交渉がうまくいかない可能性がある点を理解しましょう。
借金を大幅に軽減できる個人再生
- 個人再生は、借金の金額を大幅に減額できる可能性がある債務整理の手段です。
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裁判所に申し立てをして手続きを行い、借金返済が困難であると認定をもらいます。
例えば、1,000万円の借金を抱えている場合は、個人再生の実行により5分の1にまで借金の減額が可能です。
また、住宅ローン特則を適用すると、持ち家を手放さずに借金を減らせる可能性があります。
個人再生を実行するデメリットとしては、裁判所に申し立てをすることで官報に債務整理の事実が掲載される点が挙げられます。
また、手続きに時間と手間がかかるため、精神的にも肉体的にも負担が大きくなってしまうケースが少なくありません。
借金の減額を受けつつ、持ち家等一定の資産を保有し続けたいと希望する場合には、個人再生が最適です。
借金をなくせる最終手段の自己破産
- 自己破産は、原則すべての借金が帳消しになる方法で、最終手段ともいえる債務整理の方法です。
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個人再生と同様、裁判所に申し立てを行い、借金返済が不能であると認定を受ける手続きです。
自己破産が認可されると、税金などの非免責債権を除き、すべての借金の返済義務がなくなります。
非常にメリットの大きな債務整理方法といえますが、必要最低限の資産を除き、すべての保有財産を没収されてしまいます。
また、個人再生と同様、官報に債務整理の事実が掲載されてしまう点も難点です。
さらに、必ずしも自己破産が認定されるとは限りません。
借金返済ができない状況に陥った要因次第では、裁判所での認可が下りない可能性もあります。
自己破産は、原則すべての借金を帳消しにできますが、資産を失うなどの大きな欠点を抱えている方法です。
債務整理以外の借金減額方法も検討する
借金減額シミュレーションを用いて減額幅の目安を知り、そのまま債務整理の手続きに移るのが一般的な流れです。
しかし、債務整理を選択する前に他の借金減額の方法を検討する余地があります。
債務整理の実行により、信用情報において事故履歴が記録されてしまい、多くの金融サービスが利用できなくなってしまいます。
普段利用しているクレジットカードが使えなくなるなど、生活に直接支障を来してしまいかねません。
一方、債務整理以外の方法で借金減額が可能になると、クレジットカードの利用制限を受けることもないでしょう。
債務整理以外で、借金を減額できる可能性のある方法を以下に2例紹介します。
- 低い金利のサービスに切り替える借り換え
- 管理が容易になり利息負担も減らせるおまとめローン
債務整理を含め、ご自身に適した方法を採用して家計を改善しましょう。
低い金利のサービスに切り替える借り換え
- 現状の借金に設定されている金利よりも低い融資先に借り換えを行う方法で、負担が軽減されます。
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借り換えは、カードローンなど金融サービスを利用して借金が膨らんでいるケースにおいて、活用の余地があるといえるでしょう。
しかし、借金を多く抱えている状況で新規の借り入れが受けられない場合も多いです。
審査に通らず借り換えができない可能性も含め、実施の是非を決めると良いでしょう。
管理が容易になり利息負担も減らせるおまとめローン
- おまとめローンは、複数の借入先をまとめてしまう手続きを指します。
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複数の借入先を抱えていると、それぞれの返済期日や返済額の管理が難しくなってしまうでしょう。
そこで、おまとめローンを活用して借入先を1か所にすると管理が容易となり、心理的な負担を軽減できます。
おまとめローンの金利が元の借入先で設定されているものよりも低いと、全体的に金利負担の軽減が可能です。
しかし、借り換えと同様、借金をしている状況でおまとめローンの審査に通らない可能性も十分にあります。
複数の金融サービスを比較して、金利の低さに加え審査の通りやすさについても考慮してサービス利用先を選ぶと良いでしょう。
借金減額シミュレーターを上手に活用しよう
借金減額シミュレーターに対して、怪しい印象を持っている人も多いかもしれません。
しかし、実際は決して怪しいサービスではなく、運営元である弁護士事務所などが債務整理相談のきっかけとして活用しているケースが多いです。
借金減額シミュレーターは、数件の質問に回答するだけで借金減額の可能性を診断できる便利なツールです。
しかし、利用に際しては以下のような欠点もあると理解しましょう。
- 診断結果と実際の減額幅は異なる場合が多い
- シミュレーターによって結果が異なる場合がある
- 運営元の事務所から電話がかかってくる場合もある
現在は、様々な運営元が借金減額シミュレーターのサービスを公開しています。
その中で、より安心して利用できるサービスを選ぶため、以下のようなポイントを重視しましょう。
- 実績のある弁護士事務所などであるか
- 必要以上に個人情報を求めない
- プライバシーポリシーの記載を確認
借金減額シミュレーターを活用して減額幅の目安を知り、安心して相談できる専門家に債務整理の相談を検討しましょう。